【松前】「第4回松前城下マグロまつり」(実行委主催)が16日、町城下通り(松城)で開かれた。クロマグロの漁獲制限により開催が危ぶまれたが、例年は2日間開催のところを1日に短縮して実施。地元名産の生マグロを目当てに町内外から多くの人々が詰めかけ、本マグロ解体ショーや松前高校生の書道パフォーマンスなどのステージイベント、「書道でマグロをゲット!」などの体験イベントも盛り上がった。
〇…会場内で開かれた即売会は、松前さくら漁協が地元産マグロの赤身、中トロ、大トロの切り身とカマを販売し、200人以上が行列をつくる盛況ぶり。
江差町から家族と訪れた主婦、吉田千咲さん(35)は「おいしいマグロを格安で手に入れられるので毎年楽しみにしている。刺身とバーベキューで味わいたい」と話していた。
売上金の一部は胆振東部地震被災者への義援金にあてられるほか、会場には募金箱も設けられた。
〇…本マグロ解体ショーは、マルコ・オーエム物産(函館)の小野貴弘社長が11日に水揚げされたクロマグロ(50・4キロ)をさばいた。わずか5分で身と骨を分離する熟練の技に、来場者が見入っていた。
解体ショーでアナウンスを務めた上野屋(町大沢)の上野勝三社長は「11日にはクロマグロ30本以上が水揚げされ、中には100キロを超える大物もあった。皆さんに松前産マグロを最高の状態で味わってもらえてよかった」と笑顔を見せていた。
〇…書道パフォーマンスは、松前高の書道部員8人が、縦4メートル、横6メートルの紙の上で、ZONEの「secret base~君がくれたもの~」にあわせてダイナミックに筆をふるい、「甦れ海峡鮪(まぐろ)」の書を仕上げた。
部員たちは2週間前から練習を重ね、本番はぴったり息が合った会心のパフォーマンスだったといい、書道部副部長の佐藤七海さん(3年)は「マグロがまた松前でたくさんとれるように、と思いをこめて書きました」と話していた。
○…「書道でマグロをゲット!」は、町内外の来場者に書に親しんでもらおうと、文化の香り漂う書のまちづくり推進協議会がマグロまつり会場で毎年開催している。主催者は年代別(小学生、中学生、高校生・一般)に優秀作品を表彰し、賞品を贈った。
松城小5年の佐藤愛優(あゆ)さん(10)は、 “大漁”の2文字を書き上げ「書道は得意で、去年学校で賞をもらったけれど、今回は納得いく出来ではなく少し心残り」と話していた。(神部 造)