人気漫画を原作とするアニメ映画シリーズ「名探偵コナン」の新作が、函館市を舞台として来春公開されることが決まった。作品中に登場するとみられる施設の関係者から喜びの声が上がったほか、市も〝聖地巡礼〟を楽しむ観光客の増加が見込まれることから「官民を挙げて盛り上げていきたい」と歓迎している。
タイトルは「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」。来年4月12日に全国東宝系で公開される。
漫画は青山剛昌さん原作で、1994年に「週刊少年サンデー」で連載開始。単行本は104巻を超えるほか、テレビアニメも放送1000回以上を数える。
映画は通算27作目で、11月30日にあらすじの一部を公開。コナンの宿命のライバル「怪盗キッド」が新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀を狙うストーリーで、「天下分け目のお宝争奪ミステリー」と銘打たれている。予告動画には夜景や五稜郭のシルエットが登場している。
幅広いファンを持つ作品が五稜郭を取り上げることについて、五稜郭タワーの中野晋専務(58)は「劇中に土方歳三にまつわる刀が登場するので、若い世代に新選組や五稜郭について知ってもらえるのでは」と期待を寄せる。箱館奉行所の坂本美奈子館長(61)は「来年は新選組結成と五稜郭築造から160年を迎えることも関係しているのでは」とした上で、「前作のエンディングに五稜郭と刀が出ており舞台になるのではと言われてきたが、確定した。聖地巡礼の方も増えるので準備を進めたい」と話した。
函館市観光誘致課は「2024年が連載開始30周年の節目という記念すべき年に函館を舞台に上映されるのは非常に光栄。地域一体となって盛り上げ、函館を訪れる人が多くなるようにどのような取り組みが必要か検討していきたい」としている。(千葉卓陽、市丸和秀)