海運大手のリベラ(広島県呉市)は、函館―青森航路で定期運航していた高速フェリー「ナッチャンWorld」(1万549トン)の観光利用に乗り出す。第1弾として2月10、11の両日、函館港で船上からの花火やディナーが楽しめる日帰りツアーを開催。同社は「自治体や旅行会社と連携したツアーやイベントを企画し、地域振興を図っていきたい」としている。
同船は2008年に東日本フェリーが青函航路に投入したが、原油高による燃料費の高騰を受けて同年限りで定期運航から撤退。その後、リベラグループの津軽海峡フェリー(函館市港町3)が不定期で運航を行っていた。現在は防衛省との間で、自衛隊の訓練や大規模災害などの有事の際に隊員や物資の輸送に利用する契約を結んでいる。
日帰りツアーは、函館港西埠頭(ふとう)に停泊している同船の船上から、午後7時40分から約20分間にわたって豊川埠頭沖から2000発の花火が打ち上がる「函館海上冬花火」を楽しめるほか、北斗市のレストラン「climat(クリマ)」のシェフでJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」でも腕を振るう関川裕哉さんによる道南食材を使ったフルコースディナー、30分間の函館湾クルージングも予定している。
料金は1万9800円(税込み)、定員は両日とも各60人。申し込み、問い合わせはJTB北海道函館支店(0138・56・1711)へ。(金子真人)