出入国在留管理庁は今月から、函館を含む全国の空港10カ所で、外国人乗客の入国手続きを大幅に短縮する「プレクリアランス」(出国前事前審査)の試行的な運用を始めた。函館ではタイガーエア台湾、スターラックス航空の2社が対象で、今月末まで。
プレクリアランスは、国外の空港に入国審査官を一定期間派遣し、出発空港で搭乗客の顔写真の取得や照合、指紋などの事前審査を行い、国内の到着空港で入国審査の簡素化を図る取り組み。今回の試験運用は、中国・中華圏の春節時期に合わせ、台湾の桃園国際空港からの発着便が対象。
2日は函館に到着したスターラックス便の乗客約170人が利用し、スムーズな入国審査を体感。函館市の田畑浩文副市長や出入国在留管理庁の職員も函館空港を視察し、制度への理解を深めた。
事前審査の運用によって到着客の上陸審査待ち時間の短縮と業務の効率化が期待できるほか、観光を目的に函館を訪れる台湾客のストレスが減り、スムーズに空港を出て、その分観光に費やせる時間が増えることになる。
職員から制度の概要や、個人識別情報を得るための設備「バイオカート」の説明を聞いた田畑副市長は「大変喜ばしい画期的な契機。観光客に函館の文化や食をスピーディーに楽しんでほしい」と話した。(竹田 亘)