台湾の格安航空会社(LCC)「タイガーエア台湾」の台北(桃園)-函館線が12日、就航した。国内外合わせて函館空港初のLCC乗り入れで、台湾からの初便でほぼ満席の177人が降り立ち、函館からは120人が飛び立った。国際線コンコースで初便の出発式が行われ、市と同社関係者が台湾からの第3の路線の誕生を祝った。
函館と台北を結ぶ国際定期便はエバー航空、トランスアジア(復興)航空に続き3社目。タイガー社は、昨年4月に成田に就航して以来、順調に日本との路線を拡大。今年6月の仙台、7月の岡山に続き、函館が9路線目。エアバスA320(180人乗り)で、週5往復(日~水、金曜日)運航する。
就航式で工藤寿樹市長は「函館に来る外国人観光客40万人のうち、半分以上が台湾。全道的にも少し減少気味の傾向があったが、新たな客層を送ってもらえると大いに期待している」と歓迎。「台湾への送客にも努力したい」と述べた。
関栩(カン・ユイ)CEO(最高経営責任者)は「函館は世界に開かれた貿易港で、外国の文化がもたらされた。タイガーエアの就航は(幕末の開港と)同じような効果が得られると思っている」とし、「台湾でも人気のある観光地。函館との行き来が活発になるようまい進したい」と述べた。
関CEOと工藤市長、佐古一夫市議会議長、松本栄一函館商工会議所会頭、水島良治函館空港ビルデング社長らがテープカットし、新規就航を祝った。折り返し便に搭乗する乗客には、ウーロン茶やさきイカなど、函館、台湾双方の記念品が贈られた。(今井正一)