先日タクシーを降りる時「現金ですか?」と聞かれた。すっかりキャッシュレスが進んだようだ。1年前は、高齢のドライバーさんの中には、クレジットカードで支払う時すら少々手間取る方がいらしたが、今は「え? 現金ですか?」と逆に聞かれる。時代の進み方は想像より早い。
キャッシュレスの方法にもいろいろあるが、私は使いこなせていない。リモートワークも毎回悪戦苦闘。大学によってリモート講義のやり方が違うので、その都度、周囲に教えてもらいながら何とかやっている。フェイスブックもインスタグラムも最低限の機能しか使っていない。もっと便利な機能があるのは知っているが、専門用語と指示に苦戦して毎回挫折する。
だが、苦手だと言って逃げていたら、時代の便利さから取り残される。これから先の楽しみも半減するのだろう。携帯電話もパソコンも、マニュアル本はなく、手探りで機能を学ぶしかない。娘たちがそばにいれば教えてもらえるが、老夫婦の少ない知識には限界がある。
それにしても、なぜ若い人たちはどんな機器でも自在に操れるのだろうか。勉強が苦手な子でも、皆、立派に使いこなす。ゲーム感覚だというが、その感覚はいつごろから見られるようになったのだろうか。税金も、あれもこれもネットである。これから先も「便利さ」の提案は増え続けるのだろう。置いていかれないように挑み続けよう。最高のアンチエイジングの手段かもしれない。(生活デザイナー)