15日午後6時20分ごろ、函館市富岡町2の市医師会病院から、函館中央署がこの日の午前に強姦致傷容疑で逮捕した同市内に住む会社員少年(17)が逃走した。同署と道警函館方面本部、函館西署の署員200人態勢で捜索しているが、同11時45分現在、発見されていない。
函館中央署によると、少年は、函館西署で留置されていたが、午後5時ごろに「心臓が痛い」などと訴えたため、西署の50歳代の男性巡査部長と60歳代の男性警部補が同乗し、診療護送用救急車で病院へ搬送。署員2人が立会いし、1階救急処置室で医師の診察を受け「留置に耐えられる」と診断を受け、署に戻る際、処置室の入口から逃走した。少年は病院から北方向に逃げ、署員が追いかけたが見失ったという。
少年は手錠が掛かっており、身長約170センチで中肉、金髪で、灰色のスウェット上下を着用。はだしの状態。腰縄が巻かれていたが、函館中央署は、少年が何らかの方法で腰縄を切ったとみて調べている。
病院の近所に住む会社員の女性(31)は「午後10時ごろに帰宅したが、何が起きたか知らなかった。戸締りなどして気を付けたい」と不安をもらした。また、病院近くで飲食店を営む女性(57)は「とても怖いので、今日は店の灯りをいつもより明るくしている。犯人のような少年を見たという客もいて、改めて怖く思った」と話した。
少年は、8日午後11時半ごろ、同市内の公園で10代の女性に性的暴行を加えようとしたが未遂に終わり、頸椎ねん挫など全治7日のけがを負わせた疑いで15日午前に函館中央署が逮捕した。同署によると、同容疑者は女性の友人の知人で顔見知りだった。女性が9日未明に被害届を出し、同容疑者の存在が浮上。調べに対し同容疑者は「合意の上だった」などと話し、容疑を否認していた。
函館中央署の原口淳署長は「容疑者発見に全力を挙げています。逃走の経緯については現在確認中です」とコメントした。