北海道国際交流センターは2月28日、サン・リフレ函館で、ダイバーシティ研究所代表理事の田村太郎さんとPEER(静岡県)の佐藤真琴さんによる「誰もが活躍できる職場と地域をめざして~ダイバーシティが拓く地域の未来」と題した講演を開いた。約20人が来場し、日本の将来を考えた。
田村さんは、これから日本を覆う脅威として「世界最速で進む超高齢化社会」と「第4次産業革命がもたらす大量失業」の2つを提示。高齢化については「今のペースだと2060年には人口が9000万人にも満たず、4人に1人が医療・介護に従事しないと生産年齢人口が維持できなくなる」と示し、失業に関しては、10~20年の間に日本の労働人口の約半数が、人工知能(AI)やロボットで代替可能とし「人手不足なのに大量失業という矛盾した社会になってしまう」と述べた。その上で「人工知能など高度な技術を駆使して病気などで働きたくても働けない人々が参加できる社会づくりが不可欠」と強調した。
がん治療などで髪の毛が抜け落ちた患者にウィッグを提供する美容事業を展開する佐藤さんは「一般事業者がどれだけ頑張るかで日本の福祉に使える資金が増える。欲しい仕組みは行政頼みではなく、どんどん自分で事業化していくことが鍵」と語った。(柳元貴成)