函館の新春名物で各界名士が出演する市民歌舞伎「初春巴港賑」(はつはるともえのにぎわい)第42回公演(NPO法人初春巴港賑主催、函館新聞社など後援)が9日、函館市民会館で開かれた。約1000人が来場し、歌舞伎十八番「勧進帳」など迫真の演技を楽しんだ。
今年度の北海道地域文化選奨と昨年の函館市文化賞の受賞記念公演で、昨年と同じ構成とした。開場から市消防音楽隊の演奏で来場者を迎え、今均実行委員長、大泉潤市長らの「口上」に続き、函館巴太鼓振興会が祝太鼓を演奏。「白浪五人男~稲瀬川勢揃(そろ)いの場」で出演者に声援が送られた後、幕間にはRダンスカンパニーの「縄文ハーモニー」、遺愛女子高校吹奏楽局と函館悦山会の「YOSAKOIソーラン」が披露されたほか、来場者にチョコレートが配られた。
「勧進帳」では武蔵坊弁慶(黒滝達也さん)が酒に酔いながら舞う「延年の舞」、弁慶と富樫左衛門(今理事長)の山伏問答など迫真の演技に「待ってました」などの掛け声や拍手が沸き起こっていた。
余韻が残る舞台で市教委の藤井寿夫教育長の発声で三本締めを行い、幕を下ろした。(山崎純一)