女子プロレス団体「アイスリボン」所属で、今年3月にデビューした函館市出身のテキーラ沙弥選手(32)の凱旋興行と銘打った同団体の函館大会が10日、協同組合函館卸センター流通ホールで開かれた。トップレスラーの豊田真奈美選手らと対戦するメインイベントの6人タッグマッチを見守ろうと、約200人の観客が来場。気迫を全面に出して戦うテキーラ選手に大歓声が送られた。
2006年に旗揚げした同団体は、主婦やOLなどさまざまな職種に就く兼業レスラーを擁し、テキーラ選手も試合を観戦したことで興味を持ち、今年3月にデビューしたばかりだ。
函館大会には、テキーラ選手があこがれ、プロレス入りするきっかけとなった豊田選手が出場して花を添えた。デビュー7カ月で臨んだ大舞台では、メキシコ国旗をモチーフにしたコスチュームで登場すると、同じ緑、白、赤のカラーの紙テープがリングを埋め尽くすほど投げ込まれ、この日一番の熱い応援を受けていた。
試合ではキックやラリアットなどダメージが大きい技の数々を受けて劣勢に立たされる場面も多かったが、「頑張れ」や「立て」などの声援を力に変え、豊田選手にダイビングボディプレスを見舞うなど奮闘した。ベテラン勢との力の差もあってフォール負けを喫したが、大応援団に向けて涙で感謝の言葉を述べるテキーラ選手に、大きな拍手が送られた。
テキーラ選手は「この涙は負けた悔しさとこの場所で戦えたことの喜びが入り交じっている。こんなに多くの人たちに支えてもらいありがたい」と感謝の気持ちを吐露。豊田選手は「デビュー直後でこれだけ戦えるのはすごい。絶対素晴らしいレスラーになれる」と激励した。
観戦したテキーラ選手の友人の男性は「頑張っている姿が間近で感じられた。違う一面を見られて感動した。これからも応援していきたい」と話していた。(小杉貴洋)