函館市で夏季強化合宿中の日本パラ陸上競技連盟(JPA)アジアパラ代表候補選手や強化指定選手の練習が10日、千代台公園陸上競技場で報道陣に公開された。同市出身で2017年のロンドン世界パラ陸上選手権大会女子400メートルで銅メダルを獲得した重本(旧姓・辻)沙絵選手ら8選手が2年後の東京五輪・パラリンピックを見据えながら、目前のアジアパラ競技大会(10月・インドネシア)へ向けて実践的なトレーニングに取り組んだ。(佐々木 司)
強化合宿は昨年続き2回目で、今年は3日から14日まで12日間の予定。この日参加したのは重本選手やリオパラリンピック4×100メートルリレーで銅メダルの多川知希選手ら8選手のほか、JPA強化委員で立位短距離・跳躍ブロックの高野大樹コーチや同委員の原田康弘アドバイザーら7人が帯同した。
練習に先立ち、工藤寿樹函館市長が「本格的なシーズンを前にリフレッシュしてもらいたい。おいしい食べ物も食べて英気を養って」と激励し、選手にがごめせっけんを手渡した。
練習では、基本動作の確認やスタートなど、実戦に近い形で汗を流した。9日に函館入りした重本選手は、アジア大会へ向け練習量を増やしているところ。450メートルや350メートル、120メートルを全力に近いスピードで同じペースで駆けるといった、走り込み中心のメニューを行った。
重本選手は「昨年に続き合宿ができ、地元には感謝している。大変涼しく、夜もぐっすり眠れる」と笑顔。東京五輪へ向けて「まだ2年ある。自分の国で一番輝くメダルが欲しい」と意気込みを語った。また、母校・本通中学校ハンドボール部の男子が全国中体連大会に出場することについて触れ「全国が決まって『ヨッシャー』という感じです。小・中学、大学とお世話になった先輩・小田原海監督も頑張ってほしいです」と喜んでいた。