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荒井三津子さん・暮らしのパレット/外食に思う

 長く大学で食生活論を教えている。自著の教科書を使っているが、私は栄養学が専門ではないので、食器、食文化、作法、食卓美学、広告など食の周辺を多く取り上げて解説している。その中で外食の変遷や発展の背景について触れる項目には多くの学生が興味を示す。
 ラーメンやカレーをはじめ、外食はもはや特別なものではなくなったが、その歴史は面白い。外食は人の移動に伴う必然的なものだった。家に戻って食事ができなければ外で食べるしかない。明治以降、会合、接待、冠婚葬祭などの場として外食が増えるが、多くは男性が利用していた。次第に女性たちも買い物の後デパートの食堂などで食べるようになるが、男女を問わず「楽しみとしての外食」が一般化するまでには年月が必要だった。
 女性が家族に自ら外食を提案することには経済面だけでなく「うしろめたさ」が伴っていたのだ。食事は本来、自分が家で作るものだという意識があったからだ。それが1970年代、ファミリーレストランやファストフード店が登場して一変する。おかあさんも一緒に、あるいは「おかあさんが提案する外食」が増えてゆく。女性一人での外食も一般化した。
 家での食事はもちろん大切である。だが、外食は調理ができない人には必須であり、何よりコミュニケーションの重要なツールにもなっている。それが今、食べる空間の作り方や人数から食べ方に至るまで多々制限が生まれ始めた。これは歴史的大事件である。静観したい。(生活デザイナー)

      暮らしのパレット











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