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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「ぶどう哀歌」

 ぶどうは種があって皮を出すのが面倒だから嫌いだという人が意外に多い。そんな人たちには、近年出回っているシャインマスカットなど、種もなく、皮ごと食べられる大粒のぶどうは好都合だろう。甘くて実においしい。だが、残念ながら一房3000円前後で簡単には手が出ない。立派なものは一房5000円以上というのも珍しくない。いったい一粒いくらになるのだろうか。
 従来の種あり、皮ありのぶどうも今が旬なので、自宅で開いている教室のデザートに地物の3種類のぶどうを少しずつ添えたところ、懐かしい味だとみんな笑顔になった。最近のぶどうは甘すぎる、高すぎる、種のまわりのちょっと濃い酸味がおいしいという、私と同じ意見が多くてうれしかった。
 日本の果物は総じて甘くなり、大きくなりすぎたのではないかと思う。柿やスイカ、ぶどうの種なしは確かに楽だが、種はそれほど問題だろうか。皮をむくのもそれほどおっくうか。ひとたび甘さを知り、大きさに魅了され、種がない、皮もむかなくてもよい楽な食べ方を提案されると、消費者はもう後戻りはできない。それが人間という動物らしい。次々に新しい品種が登場し続けている。パソコンやスマホの新機種の提案とよく似ている。
 酸味の強い、手の平に収まるくらいの真っ赤な紅玉は、昨今は特注してもなかなか手に入らない。残念でならない。(生活デザイナー)

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