北海道胆振東部地震から1週間経った日、もうそんなに大きな余震はないだろうと思い、食器棚に貼ったテープを全部はがしたとたん、震度3の揺れがあった。こうやって人間は油断するのだと肝に銘じた。震源地付近の人たちの緊張感には一時の緩みもないはずである。
地震直後、計画停電を避けるために道民は20%の節電をするように呼び掛けられた。かなりの数字が保たれていることは喜ばしい。だがまだ営業していない店舗や工場が再開するころ、今は消えているネオンサインが次々に点灯し、止まっているエスカレーターも動き出すのではないだろうか。「このくらいはよいだろう」とみんなが思い、いつの間にか元にもどってしまうのが怖い。
東日本大震災直後、駅も空港も学校もデパートも、皆が節電に協力した。暗いことに誰も不平を言わず、がまんできた。それが今はどうだろう。どこもかしこも元の明るさに戻ってしまった。今回は断じてそうなってはいけない。電気の大切さは痛感したはずである。玄関の門灯は消し、家族が一部屋で過ごすなど、わが家もできることをしている。炊飯器は多めに炊いて冷蔵、冷凍するほうが電気の節約になると聞いたので実践している。
冷凍庫のトウモロコシと枝豆と鮭で作った混ぜご飯、この日の仕上げは贅沢(ぜいたく)をしてバター。オール北海道である。北海道は道民が守るしかない。(生活デザイナー)