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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「粉文化を考える」

 数年前からあたためてきたささやかな企画がついに形になった。粉文化を考える会である。長く生物学と食生活論を教えてきたが、人間の歴史とイネ科植物との関わりの深さを痛感し、大切にしたいと思うようになったからである。
 水を入れて炊くだけでコメは食べられるが、麦は粉にしなければならない。粉にしたことで世界中で食糧になった。その背景には火の使用、煮る道具、焼く道具を発達させてきた人間の知恵があった。世界は大きくコメ文化圏と小麦文化圏に分けられる。これは粒食文化と粉食文化にも重なる。粉は水を入れてこね、茹(ゆ)でたり焼いたりすることで人々のエネルギーになってきた。こねて整形して茹でるのがパスタやうどん。焼くのがパンである。
 こねて加熱するだけで十分なのに、人間は中に具を入れるようになった。その一つが餃子である。ロシアにはペリメニ、ネパールにはモモ、ポーランドにはピエロギ、イタリアにはラビオリなど、サイズや具材に差はあるが、それぞれの土地に命を支える食べ方がある。中国では包み方に技巧が凝らされ、縁起のよい形など芸術的な飲茶も生まれた。遊び心が表現できるのも粉料理の面白さである。
 災害時の非常食としても粉が注目され始めた。まずは気軽に粉に親しみたい。賛同してくれた友人がチャパティとナンづくりを指導してくれた。古来人間はこうして命をつないで来た。そんな感動のある勉強会だった。(生活デザイナー)

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