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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「年のとり方」

 同居している実母が94歳になった。足腰は弱り、姿勢の悪さは天下一品である。だが杖を使って自力で歩き、階段も手すりがあれば自分で上り下りする。頭の回転には何の衰えもなく、会話のテンポも話題の豊富さも数十年前から変わりない。父を見送ってからもうすぐ30年。よく頑張ってきた。
 食事は私が母の部屋に運び、一人で食べている。そのほうが好きなテレビを観ながらゆっくり食べることができて「あずましい」という。以前食卓の調査をした時も食事は一人でしたいという高齢者が意外にも多かった。こちらの理想や思い込みでにぎやかな食卓を提案するのは考えものかもしれない。身支度や入浴も、本人が望まないので手伝っていない。時間は掛かるが家中に配置した手すりを使って器用にやっている。立派だと思う。
 そして母の健康の何よりの秘けつは外出ではないかと思う。10年前の骨折を機にデイサービスへ通っている。当初は絶対に行かない、誰の世話にもならないと強固に抵抗していたが、すぐに似た境遇のお友達ができて、今は週3回楽しく通っている。その他に午前中だけのリハビリ専門の施設に週2回、鍼(はり)とマッサージの訪問治療が週に2度。
 要するに母にはヒマがない。連日身内以外の他人に会うので身繕いやことば遣いなど気が抜けないようだ。その緊張感が母には何よりの加齢対策らしい。今年の誕生日は孫娘たちがそろった日、大好物のおすしでお祝いをした。百歳は夢ではない。(生活デザイナー)

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