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(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「贈るコトを考える」

 「お歳暮」という日本の習慣はこれからどうなっていくのだろうか。結婚式に仲人がいなくなったころから、職場の上司へのお中元やお歳暮も急速に減ったように思う。
 虚礼廃止はわるくない。だが93歳の母の世代には、一年に2度の贈ったり贈られたりする関係は大切ではないかと思う。受け取ればお礼状を書き、贈り先から電話をもらえば日頃の非礼をわびて近況など親しく話をする。贈答の意義はモノ自体ではなく、人間関係の歴史と継続を確かめることにあるのだろう。
 そのシステムが時代とともに消えるとしたら少し寂しい。表面的な儀礼は良くないが、贈答にはやはり意味はある。仰々しい熨斗紙もたまにはいい。旅のお土産も、珍しい品のお裾分けもうれしい。
 だが時代は変わった。ギフト選びはたしかに億劫(おっくう)な作業ではあるが、近年は価格別にネットで簡単に探したり、内祝いなどのお返しはカタログから選ぶ方法が主流になってきた。簡易包装の奨励で、箱はむき出しのままという場合も増えている。
 頂いた品の値段は検索すればすぐに分かる。珍しいはずのお土産も気に入ればネットでいつでも買える。モノと情報があふれる時代、贈答のありがたみは悲しいかな半減した。
 便利さと合理性は、趣や情緒、感動を確実に減らしてしまった。そんな中「手みやげ」の特集記事などを女性誌に見ると少しほっとする。選ぶ気持ち、贈る心は大切にしたい。(生活デザイナー)

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