骨董(こっとう)やリサイクル品も扱うカフェでガレージセールをやっていた。売れ残ったものやお客さまが持ち寄ったものを集めて、年に何度かガレージセールをやっているとのこと。
玉石混交(ぎょくせきこんこう)の山の中にサイズがまちまちのお椀のセットを4箱見つけた。2個入りや5個入りなどがどれも300円。みな怪訝(けげん)な顔だったが「もしかして」という予感を頼りに購入した。帰宅して数えると大小16個。並べ替えると予感的中。懐石用の蓋(ふた)付きの飯椀と汁碗のセットが4組できた。箱の傷みはひどいが新品である。良い買い物をした。
この日、私はケーキ皿も9枚買った。アンティークというほどの古さではないが戦前のものでマニアはいる。一枚100円で全部買えば安くするという。それには誰も見向きもしなかった。わが家には売るほど食器があるのに、私が買わなければ処分されるだろうと思うと奇妙な義務感にかられて思わず買ってしまった。
この話をしたら、キモノの専門家の友人が、それは保護活動なのだと笑った。彼女もリサイクル市などで処分されたキモノを手にすると使命感にかられて買うことがあるという。食器もキモノも残したいモノ、残すべきモノがある。
写真の小皿もあちこちで買い集めたり、頂いたりしたものである。時代遅れの柄に見えるが現代的な器と組み合わせると良い味を出してくれる。取捨選択の目を養いながら、保護犬ならぬ保護食器活動はこれからも続けようと思う。(生活デザイナー)