(荒井三津子さん・暮らしのパレット)「危機感」

 入社して1週間もたたずに会社を辞める人が少なくないという。友人の会社では入社後2カ月で3人辞めたという。資格を取るための勉強や厳しい研修に嫌気がさすならまだしも、決まった時間に出社することや満員電車での通勤に耐えられなくなる者もあると聞く。学生時代の自由な日々が続くとでも思っていたのだろうか。転職も悪くはないが社会人になる覚悟が甘すぎる。
 だが私には彼らを批判する権利はない。大学入学直後から退学することばかり考えていた。他学部の再受験のための勉強を2年目の秋まで続けた。その後も人生の方向を決めかねて、気付けばこんな年齢になってしまった。肩書きはいろいろある。だが、大学は非常勤だし、主宰している生活文化塾は自分でつくったので仕事の仕方は自分次第。
 要するに私はきちんと就職することができなかった「根性なし」なのだ。それでも自分のことは棚にあげて年長者として言いたい。洞察力や想像力、忍耐力が著しく欠けている若者が増殖している。大学の試験が近づくと穴埋め問題か、選択問題か、記述式か、果てはどんな問題を出すのかと真顔で聞きにくる学生が何人もいる。手をとり足をとって学ばされてきた若者は野に放たれると困惑するということか。
 それでいてプライドは高く、すぐに被害者意識をもつ。教育システムの問題ばかりではあるまい。2歳からスマホを操作する時代だという。忍びよる危機感にどう対応したらよいものだろうか。(生活デザイナー)

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