道教委は専任教員が小規模や離島にある高校へ遠隔授業を行う「北海道高校遠隔授業配信センター」(ティーベース)を4月に開設し、道南でも松前、福島商業、南茅部、長万部高校の4校で授業がスタートしている。このうち、南茅部高(藤井浩之校長)では28日に代々木ゼミナールの公民科講師・畠山創さんが外部講師として政治・経済の授業を行い、3年生9人が法の支配と法治主義の違いや選挙制度について学んだ。
ティーベースは札幌市北区の有朋高が配信拠点。小規模校や町村部のへき地校などでは、教員不足や都市部への高校進学による生徒の減少などが課題となっている。この取り組みでは指導力の高い専任教員が遠隔授業をライブ配信し、そのノウハウを生かして小規模校でも進学や就職など、生徒が希望する進路に応じた学習機会を提供することができる。南茅部高では政治・経済のほか、数学B、社会、情報、音楽Ⅰで遠隔授業を取り入れている。
この日の授業で畠山さんは選挙制度に触れ「学校における生徒会活動も政治のひとつ」と説明。生徒にとって身近な生徒会選挙と重ねて「投票率を上げるためにはどうすればよいか」と投げかけ、生徒たちは頭を悩ませていた。
生徒会長の加我謙典さん(18)は「選挙や政治に興味を持ってもらう難しさを改めて実感した」と話していた。藤井校長は「今回のような専門性の高い外部講師によるライブ授業は、生徒によい刺激となり、学習意欲のさらなる喚起・向上につながると確信する」と話していた。(野口賢清)