中国の旧正月「春節」を迎えた5日、函館日中友好協会(東出隆司会長)は「春節聯歓(れんかん)会」を函館市青年センターで開いた。毎年恒例の行事で、市内在住の留学生と会員、中国語講座受講生らが水ギョーザをつくり、新年の到来を祝った。
東出さんや参加留学生によると、中国では家族が集まる春節時期に北部ではギョーザ、南部では団子をつくることが多い。大みそかは「春節聯歓晩会」というテレビ番組を見て過ごし、カウントダウンとともに爆竹を鳴らすのが現在も欠かせないという。
春節休暇は1週間から10日間ほどで、旅行に出かける人も増え、都市部から帰省する交通手段確保には数カ月前からの予約が必要になることもあるという。キャッシュレス先進国の中国らしく、「お年玉」も電子決済が主流となっているといい、参加した留学生も口々に家族から送られてきたと話した。
会には留学生約20人を含む約50人が参加。午後4時過ぎから留学生らも次々と訪れ、「新年快楽(シンネンクァイルー)」とあいさつを交わした。用意したギョーザ用のひき肉だけで5キロ。ニラやショウガなどと混ぜ合わせたあんをもちもちとした手作りの皮に包み、水ギョーザとして味わった。
北大水産科学研究院に留学中の王羿寧(オウ・イネイ)さん(27)は「昨年3月から函館にいますが静かできれいな街。(ギョーザ作りは)面白いですね」と話す。東出さんは「一緒に交流できることがうれしい。住みよい街づくりの一助となり、函館のよい宣伝になれば」と話していた。
一方、この日の市内観光地周辺では目立った混雑はなかったが、写真撮影や雪景色を楽しむ外国人観光客の姿も。例年さっぽろ雪まつり期間中は道南を訪れる人も増える傾向にあり、観光予報プラットフォーム推進協議会(事務局・日本観光振興協会)の観光予報によれば、市内(湯の川温泉)の宿泊ピークは9日となっている。(今井正一)