26日の北海道新幹線開業までいよいよあと1日に迫り、JR函館駅とその周辺では新幹線で訪れる観光客をもてなそうとさまざまな取り組みが進められている。駅構内では「桜タワー」の制作が急ピッチ。駅正面の工事現場は巨大横断幕で出迎えるほか、函館朝市からベイエリアに続く「開港通り」には、函館開港の歴史を紹介するパネルがお目見えした。
○…函館の玄関口となるJR函館駅改札前では、色とりどりの花で飾る「はこだて桜タワー」の制作が進められている。24日には国際的な活躍で知られる庭園デザイナーの石原和幸さんが現場入り。新幹線で結ばれる全国各地のサクラをはじめとする草花で、春満開の華やかな空間をつくり出す。
函館市などでつくる開業記念イベント実行委の事業。オブジェはコンコースの柱を利用し、高さ約6メートル。東北から九州まで新幹線が走る地域からサクラの枝を集め、地元函館のサクラも加わるほか、ツバキやコデマリ、カスミソウ、シダレヤナギなども彩る。
石原さんは、駅構内を歩く人の動線や視点を意識し、どの角度から眺めても美しくなるよう、花の配置について指示を出した。周辺には花の甘い香りが漂い、作業を見守る駅利用者にも笑顔が広がった。石原さんは「北海道では1カ月ほど早いと思うが、サクラを見て春が来たなと明るい気持ちになってほしい」と話している。
サクラは開業日に満開に近い状態になるという。オブジェは25日に完成し、4月10日まで設置する。(今井正一)