函館を代表する歴史祭り「第49回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が19日、函館市内で開幕した。初日は
メイン行事の第31回土方歳三コンテスト全国大会を、五稜郭タワーアトリウムで開催。全国からエントリーした男女19人が迫真の演技を披露し、審査の結果、函館市の保育士、金谷藍子さん(29)が優勝した。
コンテストは函館の10人をはじめ、埼玉や宮城、青森、東京、愛知から22~53歳の19人(男性13人、女性6人)が参加。箱館戦争で戦死した新選組副長の土方が最期を迎える場面を思い思いに演じ、観客を釘付けにした。審査員5人が容姿や声の通り、身のこなし、土方への思入れ、アイデアの5項目で審査し、2012年のコンテストで3位だった金谷さんが2回目の出場で栄冠に輝いた。
金谷さんは市内で活動する若手劇団、芝居組「虎」の副代表を務める。前回は封印した殺陣を取り入れたパフォーマンスで、凛とした表情や心のこもった演技が高く評価された。金谷さんは「優勝経験者がいる劇団の仲間たちと肩を並べることができた。6年前は3位でパレードに参加できなかったので、悔しい思いがあった」と話した。準優勝は東京の佐々木育恵さん(27)、3位に当たる五稜郭祭賞は昨年に続き愛知県の尾関宏治さん(33)だった。金谷さんと佐々木さんは20日の維新行列に参加する。
審査委員長の大泉潤市観光部長は「熱のこもった素晴らしい演技ばかりで、非常に難しい審査だった。皆さんが研究し、努力し、練習した成果は土方にも届いたのでは」と講評した。
20日は午後1時から「維新行列・音楽パレード」があり、本町の行啓通りでは旧幕府軍と新政府軍の壮絶な戦闘シーンを繰り広げる。同3時から五稜郭公園特設ステージで「開城セレモニー」を行う。(山崎大和)