【木古内・福島】北海道新幹線と道南いさりび鉄道の開業に伴い、木古内と福島の両町内では、開業日(3月26日)周辺に機運を高めるイベントを展開する。(斎藤彩伽)
■江差線跡でトロッコ走行、19日から
○…木古内町では3月19~27日午前10時から、2014年5月に廃止されたJR江差線木古内―江差間の一部の線路を使ってトロッコを走らせる「木古内鶴岡せんろフェスタ」(同実行委主催)が開かれる。午後4時まで(受付終了は各日同3時半まで)。
函館市や上川管内美深町など道内各地でトロッコを運行する鉄道愛好家が集う団体が企画。フェスでは、トロッコを足こぎするコースとエンジン搭載のトロッコを運行させるコースの2種類を用意する。鶴岡公園を出発し、境内にレールがある禅燈寺を通過して北鶴岡に向かう「足こぎトロッコ」(約500メートル区間)か、同公園から廃止された踏切を仮設線路でつなぎ旧JR江差線新幹線高架付近を目指す「エンジントロッコ」(約1・1キロメートル区間)。
トロッコは各地から持ってきたものと、北海道夢れいる倶楽部(函館)が製作中のものを使う。乗車券が500円(小学生以下は半額)、エンジントロッコに乗車する場合の急行券が200円(同150円)。北海道夢れいる倶楽部は「日本の鉄道の進歩を、新幹線やいさりび鉄道、廃線を通じて感じ取ってもらえればうれしい。ぜひトロッコ走行を楽しんで」と呼び掛けている。
■福島と外ケ浜 開業日にのろし
○…福島町では開業当日、青森県外ケ浜町三厩地区と同町が、新幹線の北海道―青森間の発着を知らせようと、「のろし」を上げて交信を図る。あおもり松前街道推進協議会と町のろし上げ実行委が協力して行う。
イベントは藩政時代に松前藩主が津軽海峡を渡る際に、青森県側と道南の白神岬や松前城でのろしを上げ、渡海の成功などの連絡を取り合ったという歴史にちなむ。さらに、同区間で1998年にフェリーが運行を再開するときに同様の記念イベントを開いており、今回は18年ぶり。
福島町では古文書に基づいて復元された高さ3・5メートルののろし台で実施。木材をくみ上げてたき木などを燃やし、煙を発生させる。
時間は、道南側が午後0時57分、新函館北斗発のはやぶさ22号が木古内駅を出発するころで、青森側は同列車が奥津軽いまべつ駅に到着するとき。実行委は「北海道新幹線で再び結ばれる両地域の親交の証しを、皆さんにも見てほしい。成功させます」と意気込んでいる。