【福島】「第25回『殿様街道』探訪ウォーク」(町千軒地域活性化実行委主催)が29日、町千軒で開かれ、70人が紅葉に彩られた歴史街道散策を楽しんだ。
毎年春と秋に開催される人気イベント。殿様街道は松前から函館に至る江戸時代の旧街道108キロの一部で、3・5キロの山道2本が現存する。茶屋跡や函館戦争の砲台跡、松前線の廃線跡などの史跡が随所に残る。
台風の接近により天気が危ぶまれたが、大千軒岳の眺望にも恵まれ、無事に殿様街道の全ルートを踏破した。町史研究会の中塚徹朗会長が歴史ガイドを務め、参加者は伊能忠敬、間宮林蔵、蠣崎波響らこの道を歩いた数々の人物に思いをはせつつ、歴史の重みをかみしめた。散策の後、町活性化センター「あづまーる」で地元産の新そばを味わい、伝統芸能「松前神楽」を観賞した。
函館市の高井彩衣さん(32)は、「歴史を身近に感じ楽しかった。一番印象に残ったのは、山中でブナの巨木(幹回り3・7メートル)にめぐりあったこと」と感激した様子。神戸市から訪れた西村純幸さんは、長崎から函館まで全国の旧街道を徒歩で踏破したといい、「殿様街道で、6年がかりの全国縦断の最後をきれいに飾ることができた」と話していた。(神部 造)