プリンセス・クルーズ社の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5875トン)が15日、函館港に寄港した。運航会社の日本オフィス「カーニバル・ジャパン」(東京)は、遺愛女子高校英語科3年生を船内見学に招待。3年間の客船ボランティア活動を笑顔で締めくくった。
同校の活動は今年で11年目。外国客船寄港時を中心に岸壁や函館駅前などで乗客の案内役を務め、英会話力を磨く授業の一環と位置付けている。1年時の2015年には、長年の活動が評価されてクルーズ関連で全国初となる観光庁長官表彰を受賞。2年時には、来函した客船運航会社の幹部を前に函館の魅力や活動の様子を英語で紹介する役目も担った。クルーズ以外でも、新幹線開業日や国際会議開催時におもてなし役を務めるなど、さまざまなの経験を重ねてきた。
クルーズ関係者の評価も高く、カーニバル社は15年から生徒の特別乗船を続けている。この日は生徒たちが船内のさまざまな施設を見学し、写真を撮影するなどして楽しんだ。案内役を務めた同社の宮弥代係長は「船内の公用語は英語だが日本発着クルーズでは、日本らしいホスピタリティも求められる。船で働きたい、旅行で乗りたいという人がいれば、また船上でお会いしましょう」と呼び掛けた。
3年間の活動について小川菜々子さん(17)は「いろいろな経験を積み、コミュニケーション能力が身についた。これからも観光のことやボランティア精神を忘れずにいたい」と話す。
下船後は市のクルーズ担当者に感謝を込めて「いか踊り」を披露して、後輩たちの活動を託した。市港湾空港部の鶴岡崇男主査は「遺愛の活動は函館のクルーズ振興の中心的役割を担っているといってもいい。11年目を迎え、良い形で次の段階へとつないでくれた」とねぎらった。(今井正一)