道南太平洋海域(渡島、胆振、日高管内)のスケトウダラ刺し網漁が始まり、漁場形成の早い渡島のえさん(椴法華)、南かやべ、鹿部の3漁協で5日、今季初水揚げがあった。このうち、函館市の木直漁港では、夜明け前から家族総出で手作業でスケトウを網から取り外す作業に励んだ。
1日から操業予定だったが、台風16号の影響などで延期になっていた。木直漁港では、漁船3隻が沖に向かい、一昼夜留め置いた網を引き揚げ帰港。船の明かりを頼りに魚を網から外す作業を手早く行い、次々と大箱へ詰めていった。3トンを水揚げした大栄丸(14トン)の船長、伊豫部喜晴さん(63)=木直町=は「魚は広範囲に分布しており、魚体も大きい。このまま漁が続くのでは」と話した。漁期は来年3月末まで。
道総研函館水試によると、渡島~日高の海域で8月26~30日に試験調査船「金星丸」で分布調査を実施した結果、スケトウの平均反応量は昨年同期を上回り、2016、17、19年度と同程度。登別~胆振管内白老沖に強い魚群反応があった。反応は水深300~450メートル付近で強かった。水温は、南茅部沖ではほぼ平年並み。同水試は「漁獲対象となる16年、17年級群は資源状況が良く、漁が上向く条件はそろっている」としている。
道南太平洋の今季のスケトウTAC(漁獲可能量)は4万6400トンで、資源評価の結果、20年度比6400トン増となった。(山崎大和)