函館市根崎町の海岸で、北大大学院水産科学研究院が開発したブランドコンブ「北大ガゴメ」の水揚げが行われている。漁業者らが、葉の一面に凸凹の模様がくっきりと浮かんだ幅広のガゴメを丁寧に箱詰めしている。
北大ガゴメは、環境条件のコントロールによって成長を促し、栽培期間を半年に短縮。フコイダン含有量が天然の2倍あるのが特徴だ。函館市漁協根崎支所養殖コンブ部会(岩田和晴部会長、20戸)では、8戸がガゴメを生産している。
海藻の一次加工を行うベンチャー企業「北海道マリンイノベーション」(函館市弁天町、布村重樹社長)は生食用として買い取っており、今年で3年目。今年は4月30日に初水揚げし、4~5回水揚げしたら終了。長さは1~2メートル、幅は15~30センチに育ち、約4トンの水揚げを見込む。生食用のため、汚れがつかず、きれいなうちに水揚げをしている。水揚げ後は根や付着物を取り除き、箱詰めして冷凍保管。函館国際ホテルなどレストランへの出荷、フコイダンの抽出用などに使う。
布村社長(59)は「今年は色、身の厚さ、凹凸模様どれも申し分ない。漁業者にとって乾燥の手間がガゴメ生産のネックになっており、生食用で負担を軽減できれば」と話す。(山崎大和)