安川農園(函館市亀田港町、安川満江代表)の農業ハウスで、ルッコラや小松菜、ホウレンソウなどの葉野菜を加温せず寒さに当てて育てる「寒締めベビーリーフ」の収穫が進んでいる。今冬は日照時間がたっぷりで、安川さん(56)は「品質、収量とも良好」と話す。
安川さんは市内昭和町にビニールハウス2棟を借り、このうち1棟(約165平方メートル)で22種類のベビーリーフを栽培。ベビーリーフの本格出荷は今冬で6シーズン目で、道総研道南農試(北斗市)で冬季だけ臨時職員として働いている縁で、同農試から栽培法を学んだ。
昨年10月中旬~11月上旬に時期をずらして播種(はしゅ)。2重に被覆したハウスのビニールを、内張りだけを外して温度を下げることで、糖度やビタミン含量を高める。昨年末に出荷を始め、3月上旬まで続く。安川さんは「丁寧に洗ってオリーブオイルをかけて食べると、素材の味がよく分かる」という。
天気の良い日は、昼間だとハウス内の温度は約20度ある。前作の残肥で栽培でき、ハウスの通年利用ができることが冬野菜作りの魅力だ。安川さんは「今冬は雪が少ないので、ハウスの雪下ろしをしなくていいので体が楽。出荷先からは『足りない』と言われるほどだが、労働力も限られており、できる範囲で続けたい」と話す。
安川農園のベビーリーフはコープさっぽろの「ご近所野菜コーナー」や、シエスタハコダテ内の「ベジ旨マルシェKawasaki」で扱っている。(山崎大和)