函館市水産物地方卸売市場(豊川町27)は停電の影響で、6日の競りを取りやめた。競りは通常午前6時からで、当初は開始を遅らせるなどの対応をしていたが、買い手となるスーパーや飲食店から一時休業の報告が相次いだことや、海産物を市外や道外へ輸送するための物流が機能していないことなどが原因で中止とした。
函館魚市場の山上慎太郎営業部長は「冷気が外に漏れるため冷凍庫の開閉ができず、海産物の鮮度を保つための製氷機も機能していない」と困惑の表情。仲卸売場、石垣商店の石垣捷司さんは「揺れ始めたころにはすでに多くの人が市場内で競りの準備などをしていた。経験したことのない強い揺れを感じたので、みんなで一時的に外へ避難した」と話した。
同市場は、競りにかける予定だった海産物を一時的に保管するため、保冷車を複数台用意。また、電力復旧のめどが立っていないことから、市内の漁業組合に水産資源を無駄にしないため漁には出ないよう呼び掛けている。(柳元貴成)