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イカ以外の製品にシフト、珍味加工品販売高558億円

 函館特産食品工業協同組合(古伏脇隆二理事長、組合員56社)の2016年(1~12月)の珍味加工品販売高は、前年を4・7%上回る558億6658万円となった。昨季のスルメイカの記録的な不漁で原料不足とコスト高で厳しい操業を強いられたため、イカ以外の製品に軸足を移し、経営の活路を見出した結果だ。
 組合員のうち、前年より4社少ない44社分を集計した。全体の出荷量は前年比1・5%増の4万4003トンで、金額、出荷量とも前年より伸びた。
 内訳はイカ乾燥珍味(さきいか、スルメなど)が同10・3%減の9977トン、同5・4%増の179億2441万円、イカ生鮮珍味(主に塩辛)が同4・9%減の1万8790トン、同5・2%減の183億8555万円となり、イカ製品の減少が鮮明となった。イカ製品は内容量を減らしたり、値上げに踏み切ったりする企業もあり、消費者離れが懸念される。
 一方、イカ以外の製品(タラ、タコ、貝類、サケ、魚卵など)が同22・2%増の1万5236トン、同15・5%増の195億5661万円。イカ以外の製品が伸びたことで販売高が押し上げられた。
 仕入れ商品を加えた総売上高は同19・0%増の1393億2800万円となり、イカ原料高に危機感を持ち、イカ以外の仕入れ商品の販売に力を入れた経営努力がうかがえる。
 同組合は「生産維持や雇用確保を図るため、イカ以外の製品にシフトした結果」と受け止めつつも「今季も不漁が続くと、経営努力だけでは立ち行かない状況になる可能性がある」としている。(山崎大和)










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