応援したい自治体に寄付ができる「ふるさと納税」で、函館市への2019年度の寄付が5億円を突破した。前年度比1・7倍で過去最高を更新。市は、返礼品の水産加工品などが人気を集め、リピーター獲得につながったとみている。(山田大輔)
寄付の総額は5億7985万円で3年連続で増加。件数は4万3753件で、前年度の4倍に上った。寄付金は1万円以上2万円未満が最も多く、全体の9割近くを占めた。
返礼品で特に支持を集めているのがサケの切り身。ふるさと納税仲介サイト「ふるさとチョイス」では、32切れ入りの「紅鮭切身&秋鮭切身セット」が人気順で上位にランクインしている。
市はふるさとチョイスに加え、17年度から楽天が手掛ける同様のサイトでも寄付の受け付けをできるようにした。市財務部管理課は「各サイトでヒット商品がランキングの上位に入り、函館について目にする機会が増えたのでは」とする。
使い道を指定した寄付は2億4738万円あり、最多は「子どもたちの未来のため」で1億1085万円。市は、質の高い教育環境を提供しようと、非常勤講師の配置事業費や外国人英語指導助手の関係経費に活用した。このほか、「美しい景観を守るため」に5842万円、「大間原発の建設凍結のため」に3340万円の寄付があった。
今後の取り組みに関し、同課は「当面は今のスタイルを踏襲していきたい」としている。