函館を含めた道内の国管理空港の民営化に向けて、函館市、函館空港ビルデング、函館商工会議所の各トップによる会合が15日、同会議所で開かれた。協議終了後、工藤寿樹市長は「函館は民営化に慎重だとか反対だとか言われているが、もともとそういう考えはない。3者で改めて(民営化を進める)意思確認をした。まずは道の考え方を聞く」と述べた。
工藤市長、水島良治社長、松本栄一会頭らが出席。3氏が民営化に向けた会合を持つのは初めてで、非公開の協議は1時間余りに及んだ。21日に高橋はるみ知事が道内13空港所在地の首長を集め、今後の方向性を説明する会議を予定。事前に函館空港の関係者間の考え方を確認する場として設けた。
国は函館、新千歳、釧路、稚内の国管理空港4空港を一括民営化(バンドリング)し、この枠組みに市管理空港(旭川、帯広)を加えた6空港のバンドリングも想定される。今後、残る道管理空港をどのように位置付けていくかなど、今後の民営化協議の課題となる。
函館空港においても地域の路線維持、騒音問題対策、空港ビルの運営の在り方など検討課題は多い。工藤市長は「国管理の4空港はまとまると思うが、(市、道管理を加えた)バンドリングがどうなるか決まっていない段階で、地域の要望をどうするかといった話にはならない。形が決まれば、地域の要望を盛り込んでもらうよう努力はする」と述べた。
また、松本栄一会頭は「民営化の方向で足並みをそろえ、いろいろなことを考えていくと一致した。内容が分からないことはいろいろあり、これから進んでいくだろう」と述べた。
さらに民営化で得られる利益を基金化し、道管理空港の維持安定に活用する考えに理解を示し、「北海道の将来は人口減少は避けられず、空路のネットワークは重要。この機を逃すと道財政を考えても空港の改革はできないだろう」との認識を示した。(今井正一)