函館市の工藤寿樹市長は27日の定例記者会見で、胆振東部地震で一時落ち込んだ観光客に関し「9割近く戻ってきつつある」との認識を示した上で、「(12月1日に開幕する)クリスマスファンタジーでさらに戻ってくるのでは」と期待感をにじませた。
9月6日の震災直後は市内のホテルで宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、来函客が激減。その後、観光施設では前年とのマイナス幅が縮小し、緩やかに回復傾向にある。
海外客の動向について、市長は「韓国はかなり厳しいが、(主力の中国や台湾と比べれば)大きな割合を占めていない」とし、観光閑散期の入り込み増加に向け「ファンタジーの効果が出てくることを期待したい」と述べた。
また、来年1月末に閉店するJR函館駅前の老舗百貨店「棒二森屋」のテナント支援は、12月3日開会予定の第4回定例市議会に提出する補正予算の関連費用800万円で「一区切りになる」と説明。運営する中合(福島市)が、閉店後にアネックス館をテナントビルとして存続させる方向で調整していることに関し「駅から見て観光客にとって目立つ場所であり、歓迎したい」と述べた。
このほか、東南アジアへの観光戦略として、シンガポール政府観光局とJR東日本、道運輸局と連携し、12月と来年1月にシンガポールやタイなどのメディアと旅行会社を函館に招聘(しょうへい)したPR事業を行うと説明。「東南アジアの函館への入り込みは40%以上伸びている。今後も力を入れていきたい」と意気込みを示した。(山田大輔)