函館市企業局交通部は12日、老朽化に伴う修繕のため市電車両2両を駒場車庫の敷地内から搬出する作業を行った。京王重機整備(東京)に運び、内外装とも〝リフレッシュ〟して来年3月下旬、函館へ戻る。
同部によると、年間2両ペースで老朽化した車両の修繕を進めており、今年度は2両含めて3両目。2002号(1994年製造)と3004号(96年製造)の2両で、改良費は7650万円、4850万円。床下修繕のため骨格だけになるのに合わせ、窓ガラスの張り替え、内側の化粧板の取り換え、座席の交換、行き先表示器にLEDの取り付け、ヘッドライトのLED化なども施す。
この日は大型クレーンで車両をつり上げ、トレーラーの荷台に積み込んだ。台車を外した車両重量は10トン弱あり、慎重に作業を進めた。陸路で苫小牧港まで運び、船便で大洗港(茨城県)へ輸送する。
同部施設課の廣瀬弘司課長は「路線バスだと廃車になる年数だが、市電はトータルコストを考えると、長く使う必要がある。来年3月には見た目は新車同様なので、多くの人に利用してほしい」と話していた。(山崎大和)