シンガポールを訪れていた函館市の官民トップでつくる友好親善・観光客誘致訪問団が12日に帰函した。一行は現地の航空会社や政府観光局などでトップセールスを展開。現地の格安航空会社(LCC)は訪問団に対し、来年の函館のチャーター便運航に向けた検討を進める考えを示した。
8日から5日間の日程で、工藤寿樹市長、久保俊幸函館商工会議所会頭、渡邊兼一函館国際観光コンベンション協会会長、松川仁函館シンガポール協会会長、函館山ロープウェイ竹村隆社長ら34人が参加した。
10日に訪問したLCCの「スクート」では、同社のリー・リク・シンCEO(最高経営責任者)と会談。工藤市長は取材に対し「函館との定期航空路開設は難しいが、来年のチャーター便の運航に向けて検討したいとの回答をいただいた。非常に感触は良かった」と話した。
このほか、世界最大級の客船「マリナー・オブ・ザ・シーズ」や現地のクルーズターミナルを視察。函館観光協会とシンガポール政府観光局の姉妹提携25周年を記念した行事にも出席した。
工藤市長らは11月21~24日にもタイでのトップセールスを予定。タイは今月に国際民間航空機関(ICAO)による「航空安全体制に重大な懸念がある国(レッドフラッグ)」の指定が解除され、近く日本国内への新規就航も可能となる見通し。以前からLCCの「タイ・エアアジアX」が函館定期便就航に高い関心を示しており、工藤市長は「訪問は絶好のタイミングになった。改めてアタックしていきたい」と語った。(金子真人)