気鋭シェフによる自慢の料理を提供する初のイベント「はこだて美食フェスタ」(18・19日、函館アリーナ)の来場者は、2日間で計8000人となり、目標の1万人には届かなかった。初日に雪が降り、気温の低かったことが集客に影響したとみられる。
市経済部によると、来場者は18日が3200人、19日が4800人。シェフが選んだ最高の道南食材を使った創作料理が市民らを魅了した。ただ、18日の函館の最高気温は氷点下2・8度と真冬日に。「寒い中で待ちたくない」といった市民心理も一部で働いたようだ。2日とも開場前に行列ができたが、館内の通路に並んでもらうことで寒さはしのげたとしている。
市は市民への周知方法としてホームページやフェイスブック、地元FM局、ケーブルテレビでの放送などあの手この手のPR作戦を展開。10万世帯以上を対象にタブロイド版も17日付朝刊に折り込んだ。19日は知内町の一大イベント「しりうち味な合戦冬の陣『カキVSニラまつり』」と重なったことも集客に響いたようだ。
商品はチケット制で600円~2400円。「良い食材に見合った金額設定」との声の一方で「高くて気軽に買えない」という不満の声も一部あった。市経済部は「冬季に開催した初のイベントでもあり、来場者数の見込み自体が難しかった。反省点を検証し、次年度以降につなげたい」としている。
今回は市が新年度から取り組む重点施策「食の産業化」のキックオフイベントと位置付けた。開催経費は1000万円で、半分は国の地方創生推進交付金を充てた。(山崎大和)