函館市は子育て支援策の一環として、函館市営住宅条例を改正し、市営住宅の優先入居対象に中学生以下の子どもがいる世帯を追加する。2015年度、市営住宅入居の抽選に応募した延べ2670世帯のうち、2割程度が子育て世帯といい、入居がしやすい環境を整え、負担軽減につなげる考えだ。
市都市建設部住宅課によると、市営住宅の入居募集は年6回、偶数月に実施。昨年度は計165戸を募集した。人気の住宅は100倍を超す競争率になることもあるという。
現行条例では20歳未満の子を扶養する寡婦、高齢者、障害者、低所得者らを「優先的に選考して入居者として決定することができる」と規定がある。改正案では、対象者に「中学校修了前児童を現に扶養している者」と「寡夫」を条項に加える。
市は、条例改正後に要綱で、街なか居住促進の観点を考慮し、子育て世帯を優先入居対象とする市営住宅を決める。必ずしも希望者全員が入居できるわけではなく、1件の募集に複数世帯の応募があった場合は、これまで同様に住宅困窮度などを点数化して選考する。
条例改正案は12月の第4回定例市議会に提出予定。来年1月の施行、同2月募集分からの適用を目指す。条例改正案の資料は市役所などで配布、11月2日まで市民からの意見を募集している。問い合わせは同課(0138・21・3382)へ。(今井正一)