【福島、松前】2015年度北海道社会貢献賞および北海道産業貢献賞の受賞者に、福島町の中塚建設(中塚徹朗社長)と元松前町森林組合長の小谷伍郎さん(81)がそれぞれ選ばれた。このほど渡島総合振興局で受賞報告会が開かれ、三戸部正行局長が2者に対して賞状などを贈った。渡島管内ではこのほか、6団体・1個人が受賞した。(斎藤彩伽)
社会貢献賞「森を守り緑を親しむ功労者」を受賞した中塚建設は、1965年の創業以来、森林保全活動を通じて地域住民らの安心・安全を確保してきた。さらに無人航空機「ドローン」を使い、急斜面の危険個所を確認して関係機関に情報提供し、山地災害の防止に向けて貢献している。中塚社長は「地域住民のおかげで緑化思想の普及啓発などを行うことができた。大変光栄な賞をいただいたので、今後も森林の保全活動を続けていきたい」と話している。
産業貢献賞「森林づくり功労者」に選ばれた小谷さんは約50年間、所有地(現在7万4000平方メートル)でスギとヒバの人工林の管理と育成に励んだ。特に、松前・福島地区でこれまで育てられなかったヒバの育成方法を初めて独自で発見。いまでは本州と変わらないほど成長していて、地域林業の振興に貢献している。小谷さんは、「妻(キセ子さん)と二人三脚で取り組んできた。当時一緒に苦労してきた元町民の佐々木光弥さんにも感謝している。山が好きという情熱だけで奮闘してきたことが評価されてうれしい」と喜ぶ。
報告会で三戸部局長は「長年にわたり、林業や緑化活動・森林保全の各分野で尽力し、受賞されたことは大変名誉なこと。今後も地域に根ざした活動について、ますますの活躍を期待します」と称え、受賞者らは精悍(せいかん)な面持ちで賞状を受け取った。
このほかの渡島管内での受賞者は次の通り(敬称略)。
【社会貢献賞】▽漁船事故防止功労者=伊藤嘉洋(函館)▽森を守り緑に親しむ功労者=森町林業グループ(森)
【産業貢献賞】▽水産団体等功労者(優良水産業協同組合等功労者)=下池徹(函館)、港國和(同)、坂本藤吉(森)、小川勝士(八雲)、山中弘春(長万部)