函館など道南の4市町で10日、65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの集団接種の予約受け付けが始まった。このうち、函館市では電話とインターネットによる先着順で、1800人分のうち1200人分が開始3分で埋まり、残る600人分も約3時間でいっぱいとなるなど申し込みが殺到。他の町でも電話が混み合った。
函館市の集団接種は29日から始まり、土、日曜を中心に実施。会場は市総合保健センター(五稜郭町23)と、旧五稜郭支援学校跡の五稜郭ワクチンセンター(同39)の2カ所で、当初予約枠は市総合保健センターで計1200人分、五稜郭ワクチンセンターも計600人分を用意した。このほか、市内の一部医療機関では個別接種も始まった。
市が設置した接種予約ダイヤルでは専用回線10本を用意。午前9時の受け付け開始と同時にすぐに回線が埋まり、ネットからの申し込みも多数寄せられ、開始3分ほどで市総合保健センター分は満員に達した。電話のみ受け付けの五稜郭ワクチンセンター分も3時間で埋まった。職員は「その時間帯は埋まっております」などと説明しながら対応に追われた。市立函館保健所の杉澤雅昭地域保健課長は「基本はかかりつけ医による接種。集団を希望する人は接種券と一緒に送付した説明をよく読み、電話またはウエブサイトで予約を進めてほしい。窓口での受け付けは対応していない」とし、「接種希望者は全員が打てるようになるので慌てないで」とする。
次回の接種スケジュール更新は19日を予定し、接種予約はその翌週月曜の24日から受け付ける。接種予約専用ダイヤルは0138・83・6001(平日午前9時~午後5時)。問い合わせや相談は接種コールセンター(0120・556・202、平日午前9時~午後7時、土曜日午前9時~午後5時)へ。
厚沢部、森、松前の3町でも10日に予約受け付けが始まった。松前町は予定していた856人分のワクチンの予約が即日埋まった。厚沢部町(75歳以上)は第1弾の180人の枠に約140人の受け付けが完了。森町(同)は今月23日の集団接種初回分95人がすでに埋まった。
NTTなど通信大手各社は10日から、新型コロナウイルスワクチンの接種予約で電話通信量が急増した場合に、予約用番号への通信制限をかける対応をとっている。通話全体のつながりやすさの確保のためで、NTT東日本管内では100の自治体が対象。道南では函館市、北斗市、森町、松前町が含まれている。同社によると、大量の発信を伴うイベントが事前に想定された場合にも行っていた措置で、特定電話番号への通話がつながりにくくなるものではないとしている。(小杉貴洋、海老田暁、北川隼夢、入江智一、佐藤由紀彦)