明治時代に建築された写真館の建物を修復して営業している、函館市大町2の「旧小林写真館」は、6月1日の「写真の日」に合わせて、同日午前10時から建物を一般公開する。
旧小林写真館は道内に現存する写真館では最古の建築物。1902(明治35)年、神戸出身の写真師小林健蔵が開業。木造2階建ての建物は大火による類焼後の1907(同40)年に再建したもので、62(昭和37)年まで営業を続けた。その後は空き家状態が続いていたが、市内で写真館を営む谷杉アキラさんが2009年に入居し、売り上げの全額を建物の維持保全に充てながら営業している。
一般公開は初めての試み。写真に関するさまざまな資料を展示し、毎年6月1日に無料公開を行っていた市写真歴史館(元町、旧北海道庁支庁庁舎内)が今年3月で閉館したことに伴う取り組みで、「函館は幕末期にいち早く写真術が伝来しており、名実ともに『写真の街』であることを示したい」(谷杉さん)との思いから公開を決めた。
普段は予約制で営業しているが、1日は午前10時から午後3時まで見学できる。谷杉さんは「チャリティー撮影会やオリジナルグッズも用意しています」と話し、来館を呼び掛けている。問い合わせは同館(☎090・1386・4840)へ。(千葉卓陽)