船体修繕のため17年ぶりに係留地を離れていた函館市青函連絡船記念館摩周丸が26日午前、入渠(にゅうきょ)していた函館どつくから若松埠頭(ふとう)に戻った。
午前8時半ごろタグボート3隻に引かれ、函館どつくを“出港”。ぴかぴかの青や白色の船体(全長132メートル、幅約18メートル)が函館港の洋上に現れると、西埠頭などで見物していた人は「きれいになった」と喜んでいた。木古内町の元国鉄職員、長江郁孝さん(80)は「海上を動く摩周丸を見ると、修学旅行や仕事の現役時代を思い出す。まだまだ活躍してほしい」と話した。
係留地の幅は狭く、船体の前からタグボートが慎重に押し進め、午前10時ごろに“着岸”した。同館を管理運営するNPO法人語りつぐ青函連絡船の会の白井朝子副理事長(68)は「きれいな船体を無事元通りに運んでくれたドックマスターに感謝。天気も良く摩周丸は恵まれている」と語った。
今後はチェーンの補修や検査などを行い、3月7日の再開館を予定する。白井副理事長は「奇しくも7日は1908年に比羅夫丸が就航して青函連絡船が始まった日。今後も大勢の人に館を訪れてほしい」と話した。
(山崎純一)
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