函館市教委は21日、金森ホールで縄文トークイベント2019「めざせ!世界遺産~日本の縄文から世界のJOMON(じょうもん)へ」を開いた。道縄文世界遺産推進室の阿部千春特別研究員が「『北海道・北東北の縄文遺跡群』の世界遺産登録への道」と題して講演。約130人が縄文の魅力に触れた。
縄文遺跡群が世界文化遺産国内推薦候補に選定されたことを受け、縄文文化への関心を高め、一般市民が楽しめるイベントを企画した。
阿部さんは、縄文の特徴として①1万年存続した②ピラミッドやマチュピチュなど特別な人が残したものではなく、一般の人たちの生活の在り方や精神文化が表れている―ことを挙げ「世界遺産の中でもあまり例がない」と強調した。
北海道と北東北の4道県は北方ブナ帯に属し、寒流と暖流がぶつかり、サケなど水産資源に恵まれている共通点があるとした。
また、17ある構成資産の一つ、函館市の垣ノ島遺跡で出土した足形付き土版を紹介し「亡くなった子どもの足形を、粘土板に押し付けて子どもをしのんでいる」と精神文化の高さを強調。2021年夏の世界文化遺産登録に向け「一つの構成資産も落とさずにゴールに入る」と目標を話した。
また、タレントで道南縄文大使の藤岡みなみさん、俳優で世界遺産検定1級を持つ中山卓也さんのトークもあり、参加者はたっぷりと縄文の世界に浸った。(山崎大和)