函館市内にある児童館計27館の2015年度の利用者数(高校生まで、速報値)は、前年度比9984人増の延べ21万9384人だった。昨年4月から学童保育所が入居した亀田港や、同時期に指定管理者制度の導入を開始した美原、神山などの実績が全体を押し上げた。
年代別では小学1~3年生が10万85人で最も多く、次いで同4~6年が7万8775人と、小学生が全体の8割以上を占めた。幼児は2万4497人だったほか、中学生1万3652人、高校生2375人と、小学校高学年以降、年齢が上がるにつれ少なくなっている。
最多だった亀田港は前年度比1万324人増の1万8985人。同様に館内に学童保育所を設けるのは、桔梗福祉交流センターと赤川の2館があり、放課後の児童の預かりと安全な遊び場の提供を両立させている。
昨年度から、民間のノウハウを生かした魅力アップを狙い、モデルとして美原、神山、昭和の3館で指定管理者制度を導入。昭和は児童館と小学校の行事が多く重なり利用は減少した。ただ3館の指定管理者の学校法人野又学園は、運営する他教育施設と連携したイベントや館外活動など独自の活動を展開し、神山は約950人、美原で2700人ほど増えるなど、効果があらわれたといえる。
ただ各館の利用は小学校区などでばらつきがあるほか、少子化などの影響から利用が減少した施設もある。また半数以上で建物の老朽化が著しく見られ、市次世代育成課は「地域とともにある施設であることからも、今後補修などをどうしていくかが大きな課題」とする。
各館では子どもが好奇心を持って参加できるような行事を開催するなど、趣向を凝らして児童館の利用につなげている。同課は「児童館は子どものいじめや虐待を早期に発見する場として期待できるほか、子育て支援にもつながる。もっと児童館が楽しい場所だと知ってもらい、遊びに来てほしい」と利用を呼び掛けている。(蝦名達也)