「海洋研究センター成果報告会」(函館国際水産・海洋都市推進機構、函館市主催)が8日、市国際水産・海洋総合研究センターで開かれた。約80人が参加し、函館高専の藤原亮助教ら3氏の研究成果に理解を深めた。
藤原さんは「海洋再生エネルギーを利用した水産基盤創出に向けた研究」と題して、津軽海峡の潮海流を利用した小規模海洋発電装置の実現可能性について発表した。津軽海峡の特性に対し効率的な発電を得るのに適した「ディフューザ(流速増速器)」を提案し、海洋発電機ディフューザの最適形状を検討した実験結果などを解説した。
今後の予定として、実験結果などを基に「流れを妨げず最大限のエネルギーを得るための最適な発電機を選定し、発電機への流体の侵入を防ぐ手段も検討する」としたほか、発電した電気の使い道として水中ドローンによる漁業支援に触れ、「コンブの延縄養殖で延縄を設置する海底を視察することなども考えている」とした。
このほか沿岸シラス漁場の情報速報システムの紹介や、ホッケを例にした持続的な海洋生物資源の利用についての研究成果が報告された。(野口賢清)