北海道胆振東部地震の影響で続いていた道南での停電の影響は、8日までに完全復旧したが、依然として道内の電力供給体制は不安定な状態が続いている。北海道電力は需要に対して供給力が不足する場合、電気の使用を制限する「計画停電」を実施する方針を決めており、家庭や企業では日頃からの節電の取り組みが求められそうだ。
経済産業省は8日、病院や上下水道など主要施設を除き、家庭や企業などで平常時よりも2割程度の節電を呼び掛けた。同省資源エネルギー庁のホームページ上で節電のポイントや取り組み事例も紹介。家庭やオフィスビル、ホテルで全体の消費電力に占める割合が一番大きい機器は照明だといい、家庭では現状の3割消灯で電力を7%削減、オフィスの執務エリアは照明を半分程度間引きすると15%削減できるという。
一方、停電時の非常用電源として使用を推奨しているのが住宅用の太陽光発電パネルだ。メーカーや機種により操作方法が異なるが、ブレーカーを落としてから「自立運転モード」に切り替えると、専用のコンセントから発電した電気を自宅用に使えるようになる。
明かりの代わりに多くの人が利用するろうそく、キャンドルは、割れる恐れのある窓ガラスやカーテンの近くに置かず、短くて太いものを使用するなど注意が必要。函館市末広町のキャンドル店「710candle」の和泉詩織代表は「ろうは溶け出すと体積が20%増え、必ず平らな場所で適切なろう台に乗せたり、下にアルミホイルを敷いたりして使うこと」と強調。同店は6、7両日の停電時、250個以上のキャンドルを市民に無料配布し「懐中電灯を備えていなかった年配の方々に喜んでいただいた。キャンドルの明かりは電球とは異なる癒やし効果もある」と説明する。
北電は計画停電について、今年7月に公表した実施要領に準ずるとしており、実施の2日前までに停電の可能性がある時間帯や変電所ごとに設定したグループ、スケジュールを知らせる。
計画停電の時間帯は午前8時半~午後9時。このうち1日1回、2時間程度停電させるという。北電のホームページでは、どのグループに家庭や事業所が所属しているのか検索できるシステムを公表する。
北電函館支店は「ホームページで節電の方法を紹介しているので、参照してほしい」としている。(蝦名達也、深津慶太)