函館市が2月に実施した水銀体温計などの回収事業で、対象製品730点が集まった。水銀の換算量は約6キロ分と、昨年同様の回収事業を実施した旭川市の回収量を上回った。市環境推進課は「回収店舗数や人口規模が大きい旭川以上の結果となり、今後の適正処理を検討する上で良い結果となった」とする。
回収は環境省のモデル事業の一環で、全国15都市で同時に実施。市では水銀を使った体温計、血圧計、温度計を対象とし、29日間行った。回収場所は市内107の薬局と椴法華支所の計108カ所だった。
このうち93カ所への持ち寄りがあり、体温計618本、血圧計109台、温度計3本が集まった。
2013年に水銀被害の防止を目指す「水銀に関する水俣条約」が採決されたことを受け実施。同課によると、昨年2月の1カ月間、全国に先駆けて取り組んだ旭川市は回収店舗184カ所で、体温計435本、血圧計94台などから、5・2キロ分の水銀が集まったという。
市は現在、国の指針に基づき水銀体温計などは燃やせないごみとして収集、埋め立て処理している。今回回収したものは水銀リサイクル処理業者に搬送し、再利用など適正処理される。
水銀への意識が高まる中、他自治体などでは独自に拠点回収などを行う事例もある。同課は「今回の結果を踏まえ、国の方針を見極めながら効率的な回収方法などについて検討する必要がある」としている。(蝦名達也)