函館市の大船、垣ノ島両遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産登録の国内推薦候補に決まった19日、市内臼尻町の市縄文文化交流センターに関係者が集まり、くす玉を割るなどして吉報を祝った。
セレモニーでは、同センタースタッフの高谷友美さん(32)らがこの日のために今年1月から作っていた中空土偶「茅空」の顔を模したくす玉を用意。オレンジ色の法被を着た関係者約40人がくす玉を割ると「祝・縄文遺跡群国内推薦決定!」と書かれた垂れ幕が登場し、歓声を上げて喜んだ。
函館市の辻俊行教育長は「官民一体となって取り組んできたことが実を結び、こうして地元の方々と喜びを分かち合えることがなによりもうれしい。今後は世界遺産登録に向けて、4道県、関連資産を持つ自治体と力を合わせながら努力していきたい」と述べた。
また、函館市役所正面玄関前には懸垂幕(縦2メートル47センチ×幅90センチ)が掲示された。市職員ら約80人が見守る中、「北海道・北東北の縄文遺跡群を世界遺産へ」と書かれた懸垂幕がお披露目されると、大きな拍手が沸き起こった。
市教委によると、世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)との調整を経て国内候補1件に選ばれるまで「当分の間」掲示するとしている。このほか渡島合同庁舎でも1階ホールに横断幕が飾られ、職員や来庁者に喜びが広がった。(山崎大和、金子真人、蝦名達也)