7月1日に開かれる函館マラソンで、道教育大函館校の4年生2人が、ハーフマラソンの部に出場する全盲の島信一朗さん(48)=函館視覚障害者福祉協議会理事長=の伴走に挑戦する。障害者、健常者が社会の構成員として対等な立場で支え合う「ソーシャル・インクルージョン」の理念を、3人で体現する。
伴走を務めるのは、渡辺真気さん(22)と澤田祐輝さん(22)。島さんが実行委代表を務める「ユニバーサル上映映画祭」に、渡辺さんは大学の地域プロジェクトとして運営に携わり、澤田さんは特別支援教育を学ぶ中でインクルージョン思想に関心を持った。こうした縁で2人は島さんから声を掛けられ、快諾した。
島さんは21歳の時、交通事故で視力を失い、その後、ソーシャル・インクルージョンの実現を目指し、さまざまな活動に取り組む。マラソンの伴走がインクルージョンの実践例になるとして、2016年からハーフマラソンに出場している。
これまでの2回は、熟練のランナーを伴い完走。今回は伴走経験のない2人とのレース挑戦だが、島さんは「2人にはたくさんのことを感じ取ってほしい。3人が力を合わせて笑顔でゴールするのが目標」と話す。
今月上旬から一緒に練習を始め、徐々に息もぴったり合ってきた。澤田さんは「この縁を大切にインクルージョンの素晴らしさを体感したい」、渡辺さんも「将来につながるような伴走をしたい」と誓っている。(鈴木 潤)