【江差】町が制作した長さ25メートルの「ニシンのぼり」が13日、江差港南埠頭で初めて揚がった。時折、雨が強くなるなどあいにくの天候だったが、南からの風を受け、曇り空の中を元気よく泳いだ。
地元小学生のアイデアをきっかけに、江戸時代にニシン漁で栄えた歴史や文化財などが道内初の日本遺産として、昨年認定されたのを記念して製作された。
ニシンのぼりは、重さ約70キロ。濃い青色や銀色の魚体は背びれや尾ひれも付けて、本物のニシンに似せた。小中学生ら町民が手形とメッセージを添えている。
ニシン漁の最盛期で、「江差の五月は江戸にもない」と言われた5月に揚げようと、大型連休中の3~5日に遊泳する予定だったが、悪天候で延期。13日も雨や風が強まる恐れがあったが、午前11時半すぎにクレーン車で高さ約30メートルまで持ち上げられ、約2時間掲げられた。
町は掲揚をホームページで告知。空に舞うニシンのぼりを見た町民や観光客が写真に収めた。照井誉之介町長は「町民が江差の町を誇りに感じるきっかけになれば」と話していた。
ニシンのぼりは20日、27日のいずれも午前11時半から揚げる予定。荒天の場合は中止する。(深津慶太)